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2005年11月04日

夏と冬のあいだ

同志社女子大学チャペルアワー(10/25京田辺,11/1今出川)での奨励のお話です。

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「京都御苑にて」2005.10.22 Nikon D100


私の好きな小田和正の曲に「僕の贈り物」というのがあります。「冬と夏の間に春をおきました。」それから「夏と冬の間に秋をおきました。」という歌詞があります。ついこのあいだまでTシャツで過ごしていたのに、ここ数日は夜や朝がとても冷え込んで、ちょっと暖房が欲しい感じになりました。

私は年中日焼けしていて、どこも行っていないのに「どこかへ行ってこれたのですか」と尋ねられたりします。まあこれは仕事柄野外での仕事が多いせいもあります。それから海外も含めて出張がありますので、夏に冬物の服を引っ張り、あるいはその逆をやっていたりします。というのも毎年夏にキャンプに出かけるのはアメリカのカリフォルニア、ヨセミテという国立公園です。ここの標高2600mほどの高原のキャンプ場なんですが、8月、日中は30℃ちかく気温が上がるのですが、夜から早朝にかけて5℃とか、冷え込むときには0℃ほどにもなるのです。テントの上や近くの草原には真っ白な霜がおりています。
この地域の大自然はほんとうに美しいところですが、いかんせん普通の人間が立ち入れる期間が限られています。春は5月下旬にならないと道路が開通しませんし、だいたい10月末には雪嵐がやってきて道路が冬期閉鎖になってしまいます。6月に雪に降られたこともありますし、8月に雹が降ってきたこともあります。
こういうところでは、長い冬から短い夏、そして夏からまた長い冬という感じなんです。
草原の花々のシーズンも非常に短いです。7月から8月上旬にかけて、いろんな種類が次々と、あるいは一斉に咲いていくのです。秋の紅葉も10月に一斉。これはこれで潔い感じもします。

ハワイに住んでいる友人がいます。常夏の島と呼ばれていますが、季節の変化がすこしはあるそうです。でもはっきりとした四季はありません。ここで暮らす年月が長くなると日本の四季、とくに紅葉のシーズンがとても恋しいと言っていました。

さきほどのヨセミテそしてハワイと比べても、日本の、あるいは京都の秋の季節というのはほんとうに印象的で、そしてとくにこと10月末から12月上旬にかけての40日くらいというのは、ほんとうにドラマチックだと思います。葉がしだいに色づいて、風に吹かれてさらさらと落ちていく、地面の上に落ち葉が絨毯のように敷き詰められていきます。山々の色も変わっていきます。

秋学期に今出川キャンパスで担当している「環境教育論」では、直接自然を体験するフィールドワークを必ずやってもらっています。キャンパスのなかで1回、そしてキャンパスの南側にある京都御苑で1回の2回です。ちょうど昨日、京都御苑の「母と子の森」というとってもすてきな森で「秋を探しに」という授業をやったところです。一枚の葉っぱをじっとみつめたり、「ふわふわ」「すべすべ」などの言葉を探して歩いたり、赤いもの、黄色いものを探して歩いたり、しゃがんで目の前の地面をじっと観察したり。そんな体験です。

学生の感想を紹介します。
「ついこの間まで秋の気配も感じさせずにいたのに、こんなに短時間で変わってしまってびっくりです。いや実は私たちが気づかない時から、この木や草も虫も、秋の準備を始めていたのかもしれない。秋から冬になるのはあっと言う間だから、その季節の変わり目にも目を向けていきたいと思いました。」
「もう風が冷たく、秋を実感していたが、自然の一つ一つをじっくりみつめて秋をじっくり感じた事はなかった。しかし大きく見ても小さく見ても秋はひとつひとつに始まっていて、じっくり観察することで秋の繊細さを感じ取る事ができた。秋というのは小さな秋がたくさん集まって、大きな秋になるのだなと思う。現代の私たちは毎日時間に追われ、身近なものをじっくり見つめる時間がなく、またそれ自体を忘れているような気がする、しかしそんなときだからこそ、身近なものに触れ、忘れていたものを思い出すべきだと思う。自然には私たちが決して忘れてはいけない多くのものが存在していた。」

こうした学生の感想からはこの季節のドラマに立ち会ったことから、自分を見つめ直して、これから自然と向き合う態度について考えている様子が伺えます。

ぜひ、みなさんも今日から約1ヶ月の身近な、足下の自然のドラマの一つ一つに心をとめていただければと思います。この日本列島だけの、あるいは京都だけの夏と冬の間におかれた、神様からのすばらしい贈り物です。

Comments

�学生さんの感想、素晴らしいですね。

環境教育というものは、体験者だけがしあわせになれるのではなく、

指導者もしあわせになれる。出会いの数だけ学びがある気がします。

普段身近な、そばにあるものほど、その変化に、大切さに気づかない。

最近、私も忘れてるかも!?そういう大事なこと。

紅葉が終わってしまって、雨期のやってきたカリフォルニア北部ですが、

雨の日の散歩にでも出かけてみようかな、と思います。

ちょっと違った何かに出会えるかも??

�ちいちゃんコメントありがとう。その通り、この仕事をやっていて良かったなと思えることです。

 北カリフォルニアも短い秋ですね。季節は待ってくれませんよね。つねに「いま、ここ」に心を留めて、楽しみましょう。

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