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2005年05月12日

戦前のボーイスカウト

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 「少年団の歴史 戦前のボーイスカウト・学校少年団」(上平泰博・中島 純・田中治彦共著・萌文社)という本を読みました。20世紀はじめ、大英帝国の繁栄に陰りが見えはじめるイギリスで生まれたボーイスカウト運動がまもなく日本に伝来し、また創始者のベーデン・パウエルも日露戦争で勝利した日本の武士道に注目していること。また日露戦争の名将とうたわれる乃木希典が、1911年(明治44)イギリス訪問時に出会ったボーイスカウトに触発されて、同年夏に当時院長をしていた学習院の生徒達と神奈川県の片瀬海岸で三週間におよぶ教育キャンプを行っていることも新しい発見でした。
 「将来の兵士養成」ではなく「平和の斥候」であると当時の指導者たちは強調しつつも、二度にわたる大戦、そして独ナチスの「ヒトラー・ユーゲント」やソビエトの「ピオニール」などボーイスカウト組織をモデルとした巧みな利用などもあり、世界的にも、また日本においてもこの運動が曲折していく様子がわかりました。
 「こども中心」「経験主義的」な学びのありかたの原型をつくったともいえるボーイスカウト運動は日本の「自然学校」の展開にあたっても重要な役割をもっているといえますが、時代背景や価値観とこうした運動の展開が大いに関連していること。そしてまた、こうした子ども組織が権力者の手により国家規模の青少年組織として巧みに利用される恐れがある危険性を学ぶことができるでしょう。


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