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役に立たないフリーランスの話 その11.「プッシュ」型販売と「プル」型販売

 ホームページに掲載している私の業務経歴書をみていただければ、行政関係の仕事がけっこうな割合を占めていることに気づかれるだろう。「西村さん、さぞいろんな役所へ企画書をもっていったりして活発に営業活動をしているから仕事がもらえるんでしょうね。」と思われることも多い。実のところ、ほとんど外向きの営業活動はしていない。営業用ツールとなる事業紹介パンフレットもたいしたものは作っていない。(そういう情報はホームページで入手してもらうようにしている。)

 「うちの商品を買ってください。いいですよ。」と積極的に売り込みをかけていく営業スタイルを「プッシュ(押し)」型販売と言うとすれば、「気に入ったら、どうぞ声をかけてください。」と待つ営業スタイルを「プル(引き)」型販売だという話を聞いたことがある。以前某自動車メーカーのクルマを買おうとしたときに、営業所で担当者は見積もりの条件だけを提示して、言葉巧みなセールストークなどを何も言わない。押し黙ったまま先方からの働きかけがなく、こちらが戸惑ってしまったのだが、最終的にはそのクルマに魅力を感じていた私の方から「欲しい」「発注します」と言ってしまったのだ。まさにこれが「プル(引き)」型営業であり、競争相手があっても、自分のところの商品に絶対的な自信をもっているから可能なのだと思う。

 幸か不幸か、この活動分野で私のようにあちこち自由に飛び回れる人材は関西にも、日本国内にもそう多くないようだ。(競合相手が少ないという利点がある反面、実際現場で一緒に仕事をやれる人材もそう多くないという欠点でもある。)

 それから、この分野は「仕事が、仕事を呼ぶ」という業界でもある。他のところでの実績や評判が次の仕事を生みだしていく。毎回質の高い仕事をこころがけること、また問い合わせがあったときには誠実に対応することが実は一番の営業活動なのだ。