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役に立たないフリーランスの話 その7.「仕事」と「しごと」

 フリーランスには「仕事」と「しごと」の両方があると思っている。「仕事」はその対価を得るもので、一方「しごと」には対価はないが、誰かの役に立つものだ。

 例えば「仕事」は私の場合、講師や進行役で人前に出たり、その打ち合わせをしたり、デスクワークをしたりということ。一方「しごと」は家事・育児をはじめ、町内自治会、PTA、生協などでの役割、また京都や関西でのさまざまな団体や個人とのおつき合いも含まれる。つまり家族や地域のために割く時間と手間が「しごと」だ。

 もちろんこのすべてを自分一人でやっているわけではなくて、和代と分担してやっている。「仕事」が仁志の役割で、「しごと」は和代の役割というわけではない。仁志も「しごと」をするし、和代も「仕事」をする。

 「仕事」だけだと活動の幅は非常に狭いものになり、またそれにともなって考え方の幅も狭まる。「しごと」をすることによって活動範囲が広がり人生が豊かになる。「しごと」をすべて妻に委ねてきた夫が「仕事」をリタイヤすると、急にしぼんでしまったりするのは、このためだ。

 フリーランスはありがたいことに「仕事」と「しごと」の両方ができる。選びとる自由がある。スケジュール調整の際には優先順位を考えないといけないが、必ずしも「仕事」が上位にあって「しごと」が下位にあるというわけではない。そういう考え方はしないほうがいい。子どもを保育園まで迎えに行き、お喋りしながら帰宅するのは父親としての大切な「しごと」だ。